人生100年時代と社会保険労務士の道標
こんばんは、POCOです。
私が社労士の開業登録をしたのはほんの最近です。いわゆる駆け出しぺーぺー社労士です。そんなわけで社労士としてどうビジネスを広げようか、目下模索中です。今日はそんな社労士の未来、行く末を考えてみたいと思います。
試験合格とは20,000人との競争市場に足を踏み入れること
日本には社会保険労務士が40,829人います(平成29年8月末時点)。そのうち開業登録が23,698人だそうです。ということは登録だけしてなにもできずに去っていく人達を除いても、大体少なくとも20,000人の先輩方と戦っていかなければなりません。
合格したら独立して薔薇色の人生が待っている?そんなわけがありません。どうやってこの20,000人に勝っていくのでしょうか?
私も所属している支部長から、兼業社労士についてすごくお奨めされました。むしろ30代での独立は反対でしたね。それだけ社労士1本で食えないってことです。
奪われる専売特許
少し考えてみれば簡単な話です。社労士の独占業務である1号、2号業務ですが、これは"代行できるのは社労士だけ"ということで、自分たちで手続きできるならそれでいいわけです。しかもその内容は、"正しく納期通りに作って送ること" = 即ち"誰がやっても成果としては同じになるモノ"なわけです。
ということは、差別化できるとすれば、"速いこと"、"安いこと"しかないので、そんなものはソフトウェアやアプリ君にやってもらえばいいのです。少し調べればわかりますが、信じられないくらい安いです。社労士のオッサンに月ウン万払うより、リテラシー豊かなスタートアップの方々はまぁそっちに流れていくでしょう。(自分達で操作する時間さえ惜しい、もしくはとにかくIT疎くてやだ、という方々のニーズはあるでしょうから、市場ごとなくなることはないと思いますが、受注単価は落ちる一方でしょう。)
人生100年時代、どう戦略を描いているか
ライフシフトは読まれましたでしょうか?ワークシフトの続編ですが、絶対読むべきです。
医療は進化を続け、もはや我々も100歳まで生きる可能性が高い時代です。65歳で定年しても年金だけで30年以上生きていくのは難しいですが、働けるくらいには元気なんです。だから働くことになる。でも売れるスキルがなければ仕事はない。だから今から考えていく必要があるのです。
そんなわけで手に職を、と色んな資格や語学取得を目指す人も増えてると思いますが、ちょっと待てと。
取得後の世界をちゃんと調べて、戦い方まで一定考えてるのかと。資格は特に金食い虫です。社労士なんて名乗るだけで年間10万円以上飛んでいきます(開業の場合)。キャリコンも資格維持するのに研修等で数万の投資は避けれません。
社労士も高単価で差別化できる領域で勝負しないと食えなくなる
社労士に限った話ではないですが、答えが決まっているような定型業務はAIや機械・ロボットに置き換わります。
そこで戦うとなると、AIや機械・ロボットより低単価で量をこなすしかなくなりますが、それでいつまで食えるのか。いわゆるジリ貧というやつで、ハードワークなのに報われない仕事になるでしょう。
そうなると、付加価値を高くつけて差別化し、高単価で売れるサービスを持つ必要があります。社労士で言えば、3号業務です。
結局差が出るのはコンサルティング力だとPOCOは思っています。"助成金の申請をする"、"就業規則を作る"のではなく、"個社にあった助成金を複数組み合わせて提案できる"、"個社にあった人事制度を設計し、それを担保する就業規則にするための提案ができる"ということが生き残りのために必要だと思っています。加えて経営コンサルもできる、採用コンサルもできる、など社労士の専門にとらわれずに提案幅を広げるための"学び直し"に投資し続けられること、も人生100年時代を楽しく無理なく生きていくポイントだと思っています。
さいごに
私はコンサル(本業)×社労士(副業兼趣味)×キャリコン(副業兼趣味)で独自性を出して生きていこうと思っています。今のところ社労士1本で独立して食べようという気はありません。そうするつもりなら駆けずり回って泥をすする気持ちでやらないと無理だと思います。
受験生や合格者の方々、私のような駆け出しの方々も是非考えてほしいと思います。