兼業社労士!流山の二刀流パパブログ

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働き方改革を行う3つの理由とその順番の話

こんばんは、POCOです。

今日は、もう聞いたことのない人はいないであろう、働き方改革の話を1つしようと思います。

働き方改革は何のため?誰のため?

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もう聞き飽きてきたかもしれない"働き方改革"。最近はカタチを変えて、"休み方改革"とか"生産性革命"とか言われ始めていますね。もちろん中身も少しずつ違いますが、流行りを継続させたい思惑も感じなくはありません。

さて、そんな働き方改革ですが、一体何のため、誰のためにこんなに叫ばれ、我先にと企業が取り組みを進めているのでしょうか?

働き方改革には3つの目的がある

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働き方改革に取り組む狙い、背景は3つに集約されます。

  1. 従業員のリテンション、採用力強化
  2. 生産性向上
  3. イノベーション創造

ちなみに、電通事件を契機にこの土台に乗る以前の、労基法違反の是正目的で取り組み始めるケースもまだまだ多くあります。

従業員のリテンション、採用力強化

これはいわゆる、完全に労働者のための働き方改革で、言い換えると従業員満足度向上→定着→採用もしやすくなる、を目指しています。

副業解禁、在宅勤務、フルフレックス、フリーアドレス、私服勤務等、とにかく従業員が働きやすくなることを重視した施策が中心になります。

成果や生産性の側面よりも、満足度を重視します。結果離職率が下がる、口コミも良くなり、採用でもリードできるようになる、というのを目指します。

生産性向上

こちらは次のフェーズと言えます。働きやすい制度を入れたけど使われてない。満足度は上がったけど業績も落ち込んでいる。ちゃんと機能して、かつ業績にも貢献してくる、企業のための働き方改革、と言えます。

生産性を測る方法は色々あるのですが、ベースの考え方は同じで、アウトプット/インプットです。働き方改革で言えば、成果/労働投下資源です。

例えばシンプルなものだと、売上/労働時間、営業利益/社員数、などで示すことができます。

そのため一人当たり一時間売上などを計算して他社比較を行ったり、自社経年比較を行って生産性を評価していくことができます。

この生産性を向上するには、アウトプットを増やすか、インプットを減らすしかないわけですが、基本的にこのフェーズでは、インプットの削減が主旨になります。※アウトプットだけ増やせと言うと、労働時間も人数も増やさずに売上1.5倍にしろ、というのと同じで現実的ではありません。

ここでは、無駄な会議の削減、ペーパーレス化、業務フローの見直しからアウトソーシング、システム導入などで業務そのものの効率化を図り、労働時間削減や人員配置の適正化に繋げます。

イノベーション創造

最後がイノベーションを起こすことを目的にするフェーズです。

これは、先程の生産性向上でいう、アウトプットを増やす方の取り組みです。生産性向上のためにインプットを減らす取り組みをし、アウトプットに集中する環境が整ったら、アウトプット最大化に向けて一気にドライブをかけていく、というイメージです。

ここでは拠点の集約、フリーアドレスの導入、組織横断のプロジェクト、アイデアの自由公募など、部署やチームの垣根を超えて連携し、これまでになかった着想を得て業務に昇華させていく仕組みを作っていきます。大手メーカーなどでは徹底的にこだわり抜いた研究所やオフィスの設計・建築が多く見られます。

※例えばサントリー社。研究者たちが集い、飲み、響き合う研究所を作る:日経ビジネスオンライン

一番大事なのは順番に進めること

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3つの話はこの順に進めることが大事です。

いきなりオフィス改革に取り組んでも、労働時間が減ってなくてクリエイティブなことに時間を使えなければ意味がありませんし、そもそも従業員に支持されていない会社では何を仕掛けてもついてきません。だから順番に進めることが大事なのです。

サイボウズの青野社長も仰っていますが、働き方改革に本気で取り組むなら一時の減収や減益、赤字も覚悟しようと。数字を絶対に落とさずに働き方改革しろなんて土台無理があるし、それができるならただ従業員がサボっていただけなのかもしれない。

働き方改革は一朝一夕にできるものではないし、成果となって見えてくるのは年単位かかります。だから着実に一歩ずつ強い意思で進めていく必要があります。

残業が○%減った、有給取得が○%増えた、男性育休取得が○%増えた、とかはプロセス数値で、成果ではありません。その状態で、売り上げなり利益なりが維持向上したとき、それを成果と呼ぶべきです。

いま働き方改革がうまくいってない会社は、どのフェーズでつまずいているのか、順番が正しいのか、是非見直してみてほしいところです。