兼業社労士!流山の二刀流パパブログ

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「両立支援」育児と介護はこんなに違う!

こんにちは、POCOです。

今日は東京都主催の「介護と仕事の両立推進シンポジウム」に参加してきました。

自身2児の父であり、妻は育休中で私も育休取得した経験があるので、育児と仕事の両立については実感も知見も一定あるんですが、今後数年以内に急増するだろう、「介護と仕事の両立」については全然インプットがなかったので、勉強のために本業の合間に行ってきましたので、学びをまとめたいと思います。

社員の10人に1人が介護の制約を受けている

まずは以下の2つのデータを見てください。

【要支援/要介護者数の推移】

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【介護離職者数の推移】

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これらによると、まず何らかの介護をしている労働者はおよそ620万人(最新の統計だと2016年630万人でした)ですが、総務省の統計によると就業者数がおよそ6,600万人(平成28年8月時点)なので、相当乱暴な計算ですが、従業員10人に1人は何らかの介護を抱える計算です。当然全体でならしてるので、平均年齢が高い組織ほどその割合はぐっと高くなるはずです。(同じく総務省統計によると、介護をしている人のうち45~64歳の労働者が全体の7割です)

また介護離職は年々増え続け、ついに年間10万人に届きました。

介護と仕事の両立は育児の応用では対処できない

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昨今、大企業を中心に育児と仕事の両立支援は進み、イマドキ産休や育休が取れないというのはマズイ風潮になり、女性の8割以上は育休を取って、復職をする状態になりました。(とはいえそこからおよそ50%が退職しているのが実状です)

しかし、この企業の成功体験はそのまま介護に応用できるのでしょうか。答えは否でした。

その理由は、介護はより不確実で複雑性が高いから。具体的には以下にまとめます。(シンポでは9つ挙げられていたがPOCOが確かにと思ったものだけ抜粋)

  1. 時間的予測困難性
  2. 経済負担の予測困難性
  3. 同時多発性
  4. 負担逓増性
  5. 空間的分離性

順番にわかりやすく書きますね。育児と比較してと前置いて読むとわかりやすいです。

「いつ始まるか、いつ終わるかわからない」

「何にいくらかかるか、誰が負担するかが見えにくい」 

「自分の親と配偶者の親など、同時に複数件起こり易い」

「時間が経つほど負担が重くなりやすい」

「一緒に住んでないことが多い」

比較するものではないのは重々承知してますが、明らかに介護の方がくせ者です。しかも育児と違って全員に関係するので、より避けらないテーマです。

時間施策だけでは足りない f:id:srccdaddy:20171024164738j:image

正直、"介護"にフォーカスした働き方改革の企業事例はまだまだ多くありませんが、それでも拾ってみると、ほとんどがフレックスや時短勤務などの「時間施策」のみです。

今日のシンポでは大成建設社が参加していましたが、ここでは徹底した現場ヒアリングにより、より社員のニーズに則した福利厚生としての制度構築をされていました。

例えば、介護休業法では、介護休業は93日間しか取得できず、その分割も3回までしか認められません。

しかし同社では、180日まで、分割回数制限なしと独自に強化した内容にしています(しかもざっと調べた感じ、有給のようです)。

これは「細切れに多くとりたい」という現場ニーズに合わせた施策です。また、いわゆるジョブリターン(介護事情で退職しても、落ち着けば一定の条件で復職できる制度)等もその一つです。

いかに社員が制限持ちながらも両立できるかは、企業が確実に現場社員の介護の状況(現在・近未来)を把握し、ニーズに沿った環境を整備することがポイントなのだと思います。

さいごに

この2017年10月1日 に育児休業も最長2年取得できるよう法改正されました。もちろん最長6年(!!)取れる独自運用を持っているサイボウズ社や、育休中の給与を全額保証(一定期間)するメルカリ社など、先手の動きをとる企業はたくさんあります。

こういった本気で社員とともに乗り越えていこうという組織をもっともっと増やしていきたい今日この頃です。